会長からのご挨拶
デジタルアーカイブ推進コンソーシアムの発足に寄せて(青柳正規会長)
デジタルアーカイブ推進コンソーシアム(略してDAPCON)は2017年4月に発足いたしました。その背景を考えると、日本は技術立国として文化財のデジタル化技術の開発、データベース構築を世界に先駆けて行なってきましたが、文化立国としての長期的視点が十分でなく、その取り組みは散発的で継続的に乏しいものでした。その結果、日本の知識基盤と産業基盤を支えるはずのデジタルアーカイブについても、個別の取り組みが多く、継続性に欠け連携が取れず世界に後れを取っています。
デジタルアーカイブというと博物館や図書館の収蔵庫に大事にしまわれた文化財の保存と公開という狭い分野の印象を持たれがちですが、本来は、それぞれの時代の最新の技術を用いて、最新の情報を記録し、次世代へ伝えることで、ビジネスや外交交渉を有利に進め、教育水準を高め、コミュニティの維持発展・文化アイデンティティの醸成を助けるものであり、未来への基盤づくりなのです。
産官学民一体となって日本のデジタルアーカイブ化を進める中で、本コンソーシアムは、その取り組みの継続性を担保するために必要不可欠な産業セクターの発展を生み出す力となり、様々な業態の関連企業が知恵を出し合い、デジタルアーカイブ産業としての底上げを図る場となるものです。そして、ようやく国全体としてのデジタルアーカイブへの取り組みが始まりつつある国会や政府、学界、様々なコンテンツホルダーとの緊密な連携の場となることを目指します。
関連各界のご理解とご協力をお願い申し上げます。