デジタルアーカイブ推進コンソーシアム(略称DAPCON)では有形無形の貴重な文化資源を記録・保存し公開・利活用していくデジタルアーカイブ事業について全国の自治体を支援しています。
高山市様におかれましても、飛騨高山の歴史や文化、市民の暮らしの風景や知恵など、地域独自の魅力を後世に残し価値を再認識するため、風習や景観をデジタルで記録保存し、地域への誇りや愛着を高めることを目指すことに取り組んでおり、積極的に支援させていただいています。
DAPCON設立の趣旨や活動内容など詳細はDAPCONのホームページをご覧ください。
自然景観、市街地景観、農山村景観など、定期的に定点観測することで変化(不変)を把握します。
高山市の古い町並の残る地域は、昭和41年「上三之町町並保存会」が結成されており、新築や改築の際には、地域内において会員による細かいルールが決められるなど、町並み保存の取り組みがなされており、昭和54年には「高山市三町伝統的建造物群保存地区」の選定を受けました。このような地域の人々の取り組みによって今も美しい景観が保たれている建造物をいつまでも残してゆくことが現代に生きる私たちの使命です。
DAPCONが考えるデジタルアーカイブ技術には、大量の写真を撮ることで立体のデータを作ることができる「フォトグラメトリ」があります。この技術を活用して町並みを記録することで大火などの不測の事態に備え、町並みの復元に役立てることができます。また「ドローン撮影」では、地上での写真だけでなく上空から建物全体を記録することができ、町屋形成の研究に活用することができます。
地域の祭りや慣習などといった「飛騨高山独自の伝統」や連綿と受け継がれる飛騨匠のDNAである「ものづくりに対する心と技」など、市民が飛騨人としての誇りを持っている魅力群を映像で記録保存します。
飛騨一位一刀彫は、岐阜県の木に指定されている「イチイの木」を材料に、一切加飾・着色をせず彫刻刀の技のみで鋭く彫り上げていく国指定の伝統的工芸品です。その職人技は江戸末期に高山出身の根付彫刻師、平田亮朝、松田亮長らによって広まりました。春と秋の年2回、開催される高山祭で町中を曳き回される豪華絢爛な屋台の装飾にもその技がみごとに活かされていますが、近年、後継者不足によりその技術を受け継ぐ人が少なくなってきています。
DAPCONが考えるデジタルアーカイブ技術には、職人の全作業工程を様々な視点・角度で見ることができる「自由視点映像」や、製作過程の作品を微細な質感で記録する「高精細撮影」があります。これらの技術を活用し、映像として記録保存することで技術伝承の一助になります。
飛騨の地に生まれ育ち実直に生きてきた飛騨人の生業や地域活動を、本人の語り口調でそのまま文章やイラストで記録する「聞き書き」に取り組みます。それらから感じ取ることができる、その方の生き様や誇りから、現代の私たちが忘れている大切なものを掘り起こします。
一般に「聞き書き」の手段を用いて表現されたものをオーラルヒストリー(口頭伝承)と呼んでおり、岐阜女子大学ではオーラルヒストリーに取り組んでいます。
→岐阜女子大学のオーラルヒストリー事例
- ・写真提供:
岐阜女子大学
- ・参考資料:
高山市Webサイト
https://www.city.takayama.lg.jp/shisei/1000067/1002790/1002815/1002816/1002819.html
岐阜女子大学 飛騨高山匠の技デジタルアーカイブ
http://digitalarchiveproject.jp/category/database/hidatakumi/
岐阜女子大学 地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成のための基盤整備事業
http://digitalarchiveproject.jp/